適切なインスリンの供給と組織のインスリン必要度のバランスがとれていれば、血糖を含む代謝全体が正常に保たれます。インスリン分泌不足によってインスリン作用不足またはインスリン抵抗性増大をきたすと、血糖値は上昇します[1]

 

症状[1]

持続する中等度以上の高血糖により、特徴ある症状(口渇、多飲、多尿、体重減少、易疲労感)を呈しますが、それ以外の場合は自覚症状に乏しく、患者は病識をもたない場合が少なくありません。

 

急激かつ高度のインスリン作用不足における病態[1]

血糖値の著しい上昇、ケトアシドーシス、高度脱水などを起こし、さらには高血糖性の昏睡をきたす場合もあります。

 

合併症とQOLへの影響[1]

慢性的に続く高血糖や代謝異常は、網膜症、腎症、神経障害の細小血管症および全身の動脈硬化症を起こし進展させます。さらに、白内障などの合併症も起こし、患者の生活の質(QOL)を著しく低下させます。

 

1型糖尿病の経過[1]

1型糖尿病であっても、発症初期には食事療法と運動療法で良好な血糖値が得られる場合(インスリン非依存状態)が存在します。

インスリンが絶対的に欠乏している「インスリン依存状態」では、インスリン治療が不可欠となります。

1.

日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド 2020-2021, p14, 文光堂, 2020

2.

日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド 2020-2021, p20, 文光堂, 2020

3.

平成29 年度 厚生労働科学研究補助金 1 型糖尿病の実態調査、客観的診断基準、日常生活・社会生活に着目した重症度評価の作成に関する研究

4.

Pundziute-Lyckå A et al.:Diabetologia 45:783-791, 2002

5.

日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド 2020-2021, p24, 文光堂, 2020

6.

日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド 2020-2021, p26, 文光堂, 2020